データの削減

サマリー

Originには、データフィルタワークシートクエリといったデータ削減の機能の他に、行を削減するためのいくつかのXファンクションによる、手法の異なるデータ削減機能が用意されています。

必要なOriginのバージョン: Origin 2015 SR0以降

学習する項目

このチュートリアルで以下のことを行います:

  • 等間隔なXにデータを削減
  • 重複するXデータをもつデータセットを削減
  • グループごとにXYデータを削減
  • ワークシート行を削除

ステップ

等間隔なXにデータを削減

  1. 新しいワークブックを作成し、Button Import Single ASCII.pngボタンをクリックして、<Origin インストールフォルダ>\Samples\Signal ProcessingにあるSignal with High Frequency Noise.dat をインポートします。
  2. B列を選択し、メインメニュー解析:データ操作:データ削減:等間隔Xを選択しダイアログを開きます。下図のように設定します。
    Tutorial Data Reduction 06.png
  3. OKをクリックします。新たな列(C列)がワークシートに追加されました。この列にはサンプリング間隔が設定されています。列ヘッダをクリックして列を選択してから、列:X列の表示を選択します。X列の表示:colshowxダイアログボックスで、OKをクリックしてサンプリング間隔を使用したX列を生成します。サンプリング間隔が広く設定され、データが削減できたことがわかります。
    Tutorial Data Reduction 07.png
  4. Ctrlキーを押しながらB列とC列を選択し、Button Line.pngボタンをクリックすると元データ(黒い線)と削減されたデータ(赤い線)がプロットされます。
  5. データ量が大幅に削減されたのがわかります。
    Tutorial Data Reduction 08.png

重複するXデータを削減

  1. 新しいワークブックを作成し、Button Import Wizard.pngボタンをクリックしてインポートウィザードを開きます。<Origin インストールフォルダ>\Samples\Curve Fitting\ にある、Step01.dat, Step02.dat, Step03.dat を選択します。インポートモード行の末尾に追加するに設定し、インポートフィルタstepが適用されていることを確認します。完了ボタンをクリックして、ファイルをインポートします。
  2. A,B列を選択し、メインメニュー解析:データ操作:データ削減:重複Xを選択し、ダイアログを開きます。下図のように設定を変更します。
    Tutorial Data Reduction 09.png
  3. OKをクリックして設定を適用し、Sheet2では、重複したXデータの数がそれぞれ3であることがわかります。削減されたデータでは、重複したXに対するYデータにはすべてのYデータの合計値が入力されています。
    Tutorial Data Reduction 10.png

重複する行を削減/結合

  1. 前セクションで使用したデータのSheet1を開き、A列を選択します。メインメニューのワークシート:重複行の削除と選択しwdeldupダイアログを開きます。重複の統合基準ドロップダウンリストで平均を選択し、出力ワークシートの右向きの三角形ボタンをクリックして<新規>:新しいシートを選択したあと、出力カウントにチェックを付けてOKをクリックします。
    Tutorial Data Reduction 11.png
  2. ワークシートの行全体が統合した行の平均値に削減されます。この統合は選択した列の重複を元に行われています。新しい列カウントがワークシートwdeldup末尾に追加され、それぞれのX値に対する重複データの数が出力されます。
    Tutorial Data Reduction 15.png

データ削減:重複Xツールは、XYデータセットへの使用に限られ、重複行の削除はシート内の全てのデータに対して使用できます。

列の統計機能を使用してXYZデータ中の重複XYデータを削減することができます。詳細はクイックヘルプをご利用ください。

グループごとに削減

  1. 新しいワークブックを作成し、Button Import Single ASCII.pngボタンをクリックして<Origin インストールフォルダ>\Samples\Data Manipulation にあるMagnetization.dat をインポートします。
  2. A,B列を選択してButton Line.pngボタンをクリックし、折れ線図を作図します。
  3. 作図したグラフをアクティブにし、メインメニューの解析:データ操作:データ削減:クラスタXを選択しreducexy ダイアログを開きます。以下のように設定します。
    Tutorial Data Reduction 12.png
  4. OK をクリックして、データ削減を実行します。ソースシートの末尾に新しい列が2列追加され、削減されたデータが出力します。
    Tutorial Data Reduction 13.png
  5. グラフにも削減されたXYデータのプロットが追加されます。
    Tutorial Data Reduction 14.png

ワークシート行を削除

  1. 新しいワークブックを作成し、Button Import Single ASCII.pngボタンをクリックして<Origin インストールフォルダ>\Samples\Spectroscopy にあるNitrite.dat をインポートします。このファイルには6392のデータポイントがあります。
    Tutorial Data Reduction 01.png
  2. Nitriteワークシートにある2列を選択して、メインメニューのワークシート:行の削減と選択し、wreducerowsダイアログを開きます。ダイアログの設定を下図のようにします。
    Tutorial Data Reduction 02.png
    Note: 出力の右にある矢印をクリックして<新規>:新しい列を選択すれば、削減されたデータが新たな列に出力されます。
  3. OKボタンをクリックすると、10行ごとに最初の1行のみが出力されます。9割のデータが削減され、残されたデータが新たな列に出力されます。
    Tutorial Data Reduction 03.png
  4. 全ての列を選択してButton Line.pngボタンをクリックし、ソースデータ(黒線)と削減されたデータ(赤線)をともに作図します。
    Tutorial Data Reduction 04.png
  5. データ削減によりピークの高さが変化しています。データの形状を維持するために、より多くのデータを残す必要があることがわかります。Graph1にある緑の鍵のアイコンをクリックしてパラメータの変更を選択し、wreducerows ダイアログを開きます。読み捨てる行数3に変更し、OKをクリックします。
  6. これで25%のデータが保持され、グラフの形状も維持できていることがわかります。
    Tutorial Data Reduction 05.png